家づくりは一生に一度の大きなプロジェクトです。「3回建てないと成功しない」と言われることもありますが、できれば1回目の家づくりで後悔なく理想の住まいを実現したいものです。とくに、こだわりを形にできる注文住宅では、事前に知っておくべき重要なポイントがあります。

今回は、多くの人が陥りがちな注文住宅での失敗、いわゆる「一生後悔する5つのタブー」を、具体的な事例と共にご紹介します。福岡で注文住宅をご検討されている皆様が、後悔しない家づくりをするための参考にしていただければ幸いです。

目次
1. 注文住宅で多くの人が後悔する「5つのタブー」
   1)目的のない部屋を作ってしまう
   2)日当たり・風通しを無視した設計
   3)生活動線を考慮しないレイアウト
   4)過剰な収納スペースの確保
   5)メンテナンスを考慮しない素材選び

2. 一生後悔しない福岡での注文住宅を建てるために

1. 注文住宅で多くの人が後悔する「5つのタブー」

今回ご紹介するのは、注文住宅を建てた方が「こうしておけばよかった…」と後悔しやすい、特に避けるべき5つのポイントです。

2-1 目的のない部屋を作ってしまう

「せっかくだから」と、将来の漠然とした予定のために多くの部屋数を確保していませんか? 実は、目的がはっきりしないまま部屋数を増やすのは、非常にもったいないタブーの一つです。

具体的な失敗例
実際に、4LDKの家を建てたけれども、まだお子様が2人しか生まれておらず、普段使っている部屋は1部屋だけというケースがあります。残りの3部屋は物置になったり、何も置かれていない空間になり、お子様の成長後に2部屋使うとしても、1部屋は結局物置になってしまいます。

【なぜタブーなのか
目的のない部屋は、単なる無駄なスペースとなり、建築コストを大きく押し上げます。一般的に、1部屋(収納込み6畳程度)で坪数に換算すると3坪、金額にして約100万円の差が出ると言われています。この費用があれば、諦めかけていたオプションを実現できたかもしれません。

【対策】
後悔しないためには、ライフプランをしっかりと考えることが非常に重要です。現在の家族構成だけでなく、5年後、10年後、さらには20年後、30年後に家族がどう変化していくかを具体的に想像しましょう。それに基づいて、必要な部屋数や間取りを計画することが大切です。例えば、同性の兄弟であれば、成長するまで同じ大きな部屋を使うという選択肢も考えられます。いたずらに大きくするのではなく、将来を見据えた計画が必要です。

2-2 日当たり・風通しを無視した設計

家で心地よく過ごすために、日当たりと風通しは欠かせません。しかし、この点を十分に考慮しないまま設計が進んでしまうケースも多いのです。

なぜタブーなのか
建築基準法では居室に必要な採光面積の基準が設けられていますが、実際にその部屋に十分な光が入るかどうかは、隣地の建物形状や高さに大きく左右されます。窓を大きく設けたからといって、必ずしも明るく暖かい部屋になるとは限りません。隣地との関係性を考慮しない設計は、住んでから「暗い」「寒い」といった問題を引き起こす原因となります。

対策
日当たりや風通しを設計段階でしっかりと確認するためには、設計士に「日影図」を作成してもらうのが最も確実な方法です。日影図は、隣地の建物が敷地に落とす影を時間ごとに示す図面です。これにより、敷地のどの場所に、どの時間帯に、どれくらいの時間日が当たるのかを正確に把握できます。

注意点
残念ながら、すべての住宅会社が日影図を作成しているわけではありません。日影図を作成した上で間取りを提案してくれる会社を選ぶことが、後悔を防ぐ上で非常に重要です。もし日影図の作成を依頼して「できません」と言われるようであれば、その会社への依頼は慎重に検討した方が良いかもしれません。設計士のレベルを疑うべき、というほど重要なポイントです。日影図を書くこと自体はそれほど難しいことではないため、それができないとなると少し不安が残ります。

2-3 生活動線を考慮しないレイアウト

毎日の暮らしやすさは、家の中の「動線」によって大きく左右されます。ここを十分に検討しないと、日々の生活でストレスを感じることに繋がります。

具体的な失敗例
玄関を通らないとお風呂に行けない間取りや、LDKに入るまでに扉を6枚も開け閉めしなければならない、といった非効率な動線になってしまうケースがあります。最近人気の回遊動線や家事動線(キッチン→パントリー→脱衣所→洗面所など)を計画した結果、逆に複雑で非効率な動線が生まれてしまうこともあります。

重要なのは価値観
どんな動線が良いかは、住む人の価値観によって異なります。例えば、子供が外で遊んで汚れて帰ってくる家庭では、玄関からお風呂場が近い方が都合が良い場合もあります。何が正解・不正解ではなく、自分や家族のライフスタイル、価値観にその間取りや動線が合っているかを確認することが大切です。

対策
理想的な動線を実現するためには、間取りの希望を伝えるだけでなく、「暮らし方」を具体的にヒアリングしてくれる設計士を選ぶことが重要です。朝起きてから寝るまで、家族がどのように家の中を動き回るのかを詳しく聞き取り、それを間取りに反映させてくれるかどうかがポイントです。

セルフチェック
図面を受け取ったら、平日朝・昼・晩の3パターンで、家族それぞれの動線を色分けした線で書き込んでみることをお勧めします。そうすると、動線がぶつかりやすい場所や、無駄な動きが多い場所が見えてきます。それが許容できるかどうかで、間取りの調整が必要かを判断する材料になります。

2-4 過剰な収納スペースの確保

収納は多い方が良いと思いがちですが、必要以上に作りすぎるのも後悔の原因となります。

なぜタブーなのか
過剰な収納スペースを作ってしまう主な原因は、自分たちが持っている物の量や、将来的に必要になる収納量を正確に把握できていないことにあります。感覚や想像だけで間取りを決めてしまうと、広すぎる収納や使い勝手の悪い収納ができてしまいがちです。

無駄遣いのリスク
不必要に広い収納ができると、「とりあえずここに置いておこう」という思考になりやすく、物が溜まりやすくなります。これはせっかくの新居を散らかす原因にもなりかねません。

対策
まずは、現在持っている物の量と、今後増えるであろう物の量を具体的にリストアップし、数値化することから始めましょう。(例:「靴が10足程度」ではなく「靴が12足」のように具体的に) これにより、本当に必要な収納量が明確になります。

① 収納は体積で考える
住宅の設計では、収納スペースを床面積(平米)で捉えがちですが、実際には物の収納量は体積(流米)で決まります。天井までの高さや棚板の計画によって収納できる量は大きく変わるため、面積だけでなく、収納物の量と照らし合わせて立体的に計画することが重要です。

② 物の住所を決める
物をどこにしまうか、「物の住所」を決めておくことも、無駄な収納を作らず、かつ整理整頓しやすい家にする上で有効です。物のリストと収納場所のリストを作成し、対応付けする「収納表」を作るのも良い方法です。

2-5 メンテナンスを考慮しない素材選び

外壁材や内装材など、家に使われる素材は多岐にわたります。見た目や価格だけで選んでしまうと、後々のメンテナンスで苦労し、後悔に繋がることがあります。

なぜタブーなのか
安いからという理由だけで外壁材を選んだり、デザインがかっこいいからという理由だけでサイディングを選んだりするのは危険です。それぞれの素材には、メリットだけでなく必ずデメリットも存在します。メリット・デメリットを十分に把握しないまま採用すると、予想外の劣化や高額な修繕費が発生する可能性があります。

具体的な失敗例
珪藻土の壁
調湿作用がある人気の素材ですが、数年経つと物が当たっただけで剥がれ落ちてくることがあります。補修が必要になりますが、一部だけを直すのが難しく、一面全体を塗り直す必要が出てくるため、クロスに比べて費用が高くなりがちです。

無垢材の床
デザイン性が高く温かみを感じやすい素材ですが、椅子を引きずっただけで傷がついたり、スマートフォンを落としただけでへこんだりすることが多々あります。水に弱く、植木鉢から漏れた水がシミになったり、腐食の原因になったりするリスクもあります。

対策
素材を選ぶ際は、見た目や初期費用だけでなく、耐用年数、メンテナンス頻度、将来的なメンテナンス費用なども含めて、メリット・デメリットを総合的に比較検討することが必須です。とくに無垢材の床のように、樹種やグレードによって硬さや傷つきやすさ、メンテナンス方法が異なります。素材の特性をしっかりと理解した上で、自身のライフスタイルやメンテナンスにかけられる手間を考慮して選択することが、後悔しないために非常に重要です。
一生付き合っていく素材だからこそ、後回しにせず家づくりの段階でしっかり勉強しましょう。

2. まとめ:一生後悔しない福岡での注文住宅を建てるために

今回ご紹介した5つのタブーは、どれも言われてみれば「当たり前」に感じることかもしれません。しかし、この「当たり前」ができていないことが、後々の一生後悔に繋がるのです。

これらのポイントを家づくりのプロセスで一つずつ丁寧に確認していくことが、後悔しない家づくりへの近道です。

福岡で理想の注文住宅を実現するためには、これらの点をしっかりサポートしてくれる住宅会社や設計士を選ぶことが非常に重要になります。家づくりについてもっと詳しく知りたい、具体的な相談をしたいという方は、ぜひ一度、家づくりのプロにご相談ください。

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