福岡で注文住宅をお考えの皆様、平屋の暮らしに憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか?
平屋はそのデザイン性や生活動線の良さから近年高い人気を集めています。しかし、理想の家づくりを実現するためには、メリットだけでなく、実際に住んでみて初めてわかるデメリットについても十分に理解しておくことが重要です。
今回は、住宅建築のプロであるウィズダム建築設計の堀川が、自身の平屋での実体験をもとに「ネットには出ていない9つのデメリット」に焦点を当て、福岡で注文住宅を建てる際に知っておくべき情報と、それに対する対策を詳しくご紹介します!
「3回家を建てないと分からない」と言われる家づくりですが、プロであっても初めて建てる自身の家では、分かっていたつもりでも体感して初めて気づく後悔ポイントがありました。
この情報が、これから福岡で注文住宅を建てる皆様の後悔しない家づくりの参考になれば幸いです。
- 目次
- 1. 平屋を建てて初めてわかった!ネットにはない9つのデメリット
1)テレビが見れない可能性がある
2)日当たりが悪くなる可能性がある
3)太陽光発電の発電効率が落ちる可能性がある
4)家中の音が響きやすい
5)泊まりの来客時にトイレの音が気になる
6)地盤改良費用が高額になる可能性がある
7)和室の位置が使い勝手を左右する
8)広い土地に建てると外構・造成費用がかさむ
9)防犯上のリスクが高まる可能性がある
2. デメリットを知って、後悔しない家づくりを
1. 平屋を建てて初めてわかった!ネットにはない9つのデメリット
堀川が実体験から感じた、とくに平屋ならではのデメリットは以下の9つになります。
一般的な情報サイトでは見かけない、よりリアルな視点からの気づきをお伝えいたします。
1-1 テレビが見れない可能性がある
平屋は2階建てに比べて建物全体の高さがないため、テレビの電波受信に影響が出ることがあります。アンテナ式でテレビを視聴する場合、電波が飛んでくる方向にある山や隣の2階建ての家などが障害物となり、電波が遮られてしまう可能性があるためです。堀川の家では、特に4チャンネルが受信できず見られない、という事象が発生しました。
【対策】
建築を検討している土地の周囲に障害物がある場合は、テレビアンテナ式ではなく、ケーブルテレビや光回線を利用した視聴を検討するのが良いでしょう。土地選びの段階で、電波の受信状況を確認することも後々のストレス軽減につながります。
1-2 日当たりが悪くなる可能性がある
断熱性の高い家でも、冬場の暖かさを確保するためには、太陽の光を室内に取り込む(日射取得)設計が重要です。平屋の場合、建物の高さがないため、軒を深く出してすぎてしまったり、周囲の建物や植栽などの影響を受けて、思ったほど日当たりが得られないことがあります。
実際に、堀川は軒を深く出したことで一番大きな窓からの日射が遮られてしまい、冬場に家がひんやりしてしまうことを経験したそうです。
【対策】
優先順位によりますが、吹き抜けや勾配天井を設けて高い位置から日差しを取り込む設計を検討することをおすすめします。また、専門家に、日影図を作成してもらい、太陽の動きと建物の配置・形状から日当たりのシミュレーションを行うことが非常に有効です。経験則ではなく、データに基づいた設計判断が後悔を防ぎます。
1-3 太陽光発電の発電効率が落ちる可能性がある
多くの注文住宅で採用されている太陽光発電パネルは、屋根に設置するのが一般的です。平屋の場合、最も高い位置に設置しても、周囲の建物や地形(隣地の地盤が高いなど)の影響を受けやすく、冬場など太陽高度が低い時期にパネルの一部に影が落ちてしまい、全体の発電効率が大きく低下する可能性があります。
【対策】
太陽光パネルの設置位置や枚数を検討する際に、周囲の環境を考慮した詳細なシミュレーションを行いましょう!間取り計画の段階で、影の影響を最小限に抑えられるような屋根の形状や配置を検討することが重要です。
1-4 家中の音が響きやすい
最近の注文住宅は気密性が高いため、音が外に漏れにくい一方で、室内で音が反響しやすくなります。2階建てであれば、プライベート空間である居室とLDKは階層が分かれるため音の問題は起こりにくいですが、平屋はワンフロアのため、音が各部屋に伝わりやすい傾向があります。堀川は、リビングの隣に寝室を設けたため、お子さんを寝かしつけた後にリビングでテレビを見ると、その音で子供が起きてしまうことがあったといいます。
【対策】
間取りを計画する際に、音の伝わりを考慮し、寝室などの静かに過ごしたい部屋とリビングなどの生活音が出る部屋との間に、廊下や収納スペースを挟む、または距離を離すといった工夫をしましょう。必要に応じて扉を設けることも有効です。
1-5 泊まりの来客時にトイレの音が気になる
平屋ではトイレを1つしか設置しないケースが多いですが、これも音の問題を引き起こす可能性があります。トイレは生活音が出やすい場所ですが、平屋ではどうしてもリビングや寝室の近くに配置せざるを得ない場合があります。特に友人が泊まりに来た際など、普段と違う状況では、お互いのトイレの音が気まずく感じられることがあります。気密性の高い家ほど音が反響しやすく、この問題は顕著になりがちです。
【対策】
費用はかかりますが、トイレを2つ設置する。または、トイレの位置を、家族だけでなく来客が使用する場合も想定して、居室やリビングから可能な限り離れた場所に配置する。防音仕様のドアを採用するといった対策も考えられます。
1-6 地盤改良費用が高額になる可能性がある
家を建てる前には必ず地盤調査を行います。地盤が弱いと判定された場合、建物を安全に支えるための地盤改良工事が必要になります。平屋は2階建てに比べて建物の面積(基礎の面積)が大きくなるため、地盤改良が必要になった場合の工事範囲が広くなり、その分費用も高額になりやすい傾向があります。
【対策】
建築予定地の過去の利用状況(元田んぼや畑、造成地など)を確認し、軟弱地盤である可能性を事前に把握しておく。特に埋め戻しが行われているような造成地は地盤が緩くなりやすいです。地盤改良工事が必要になった場合に備え、通常よりも少し多めに予算を準備しておくことをお勧めします。
1-7 和室の位置が使い勝手を左右する
和室の設置は、単にスペースを確保するだけでなく、どのように使いたいかを具体的にイメージすることが重要です。堀川は、リビングの隣に和室を設けたものの、ソファの横という配置だったため、リビングと連続して使うことができず、子供の遊び場としての限定的な使い方しかできていないことを後悔しています。本来は和室でくつろぎながらテレビを見たいなどの想定があったにも関わらず、配置のせいで実現できませんでした。
【対策】
和室の用途(くつろぎたい、客間として使いたい、子供の遊び場にしたいなど)を具体的にリストアップし、それぞれの用途に合わせた最適な位置やLDKとの繋がり方を検討する。専門家と話し合いながら、生活シーンをより具体的に想像し、間取りに反映させることが重要です。
1-8 広い土地に建てると外構・造成費用がかさむ
平屋を建てる場合、一般的には60坪程度の敷地があれば十分と言われますが、堀川さんのように74坪といった比較的広い土地に平屋を建てた場合、建物自体にかかる費用だけでなく、外構工事や造成費用といった付帯工事費が高額になりがちです。これは、単純に手を入れる面積が物理的に広くなるためです。
【対策】
平屋に合わせて広い土地を購入する場合は、建物本体価格だけでなく、外構工事や造成工事の費用もしっかりと見積もり、総予算を組む際に考慮に入れる。予算に限りがある場合は、土地の広さと必要な外構・造成工事のバランスを検討することが重要です。
1-9 防犯上のリスクが高まる可能性がある
泥棒の侵入経路の多くは窓であり、その原因のほとんどは鍵の閉め忘れだと言われています。平屋の場合、全ての居室が1階にあるため、泥棒が侵入しやすい高さにある窓が多くなります。特に子供部屋など、お子さんが鍵を閉め忘れて外出してしまうといったリスクも考えられます。
【対策】
防犯性の高い窓(CPマーク付きなど)や補助錠を採用しましょう。人通りの多い道路側に子供部屋を配置するなど、視線を気にさせるような配置も有効です。格子を設置することも有効ですが、デザイン性やメンテナンスの手間も考慮が必要です。後付けできる防犯グッズなども活用し、複数の対策を組み合わせることでリスクを軽減できます。
2. デメリットを知って、後悔しない家づくりを
これらのデメリットを経験したからといって、平屋を建てたこと自体を後悔しているわけではなく、むしろ、それ以上に平屋には多くの良いところがあり、もしもう一度家を建てるとしても平屋を選ぶといいます。
重要なのは、「平屋だから起こりやすい可能性がある」というデメリットを正しく理解し、家づくりの計画段階でそれに対する対策をしっかりと講じることです。堀川の経験談は、これから福岡で平屋の注文住宅を検討される皆様にとって、後悔しないための貴重な情報源となるはずです。
理想の注文住宅、特に平屋を実現するためには、土地選びから間取り、設備に至るまで、多岐にわたる検討が必要です。今回ご紹介したデメリットは、実際に住んでみないと気づきにくい点ですが、建築士としっかりとコミュニケーションを取り、ご自身のライフスタイルや将来の計画を丁寧に伝えることで、多くの対策を講じることが可能です。
ウィズダム建築設計では、お客様一人ひとりのご要望に寄り添い、メリット・デメリット双方を包み隠さずお伝えしながら、後悔しない家づくりのお手伝いをさせていただいております。
福岡での注文住宅をご検討されている方は、ぜひ一度、ウィズダム建築設計にご相談ください。経験豊富なスタッフが、今回ご紹介したようなポイントも含め、きめ細やかにサポートさせていただきます。
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