福岡で理想の注文住宅を建てたいとお考えの皆様へ。

「高断熱・高気密の家が良い」という情報はすでにご存知の方は多いと思います。
断熱性能や気密性能を高めることは、快適な住まいづくりにおいて非常に重要です。しかし、それだけでは不十分になる場合があることをご存知でしょうか?

今回は、自然の力を賢く利用して、より快適で省エネな住まいを実現する「パッシブ設計」について、「ウィズダム建築設計No,1建築士 富永」が分かりやすく解説します。
福岡での注文住宅計画に、ぜひお役立てください。

目次
1. パッシブ設計とは?アクティブ設計との違い

2. なぜ、高断熱・高気密な家こそパッシブ設計が重要なのか?

3. パッシブ設計の具体的なポイント:日差しを制する!

4. 福岡でパッシブ設計の注文住宅を建てるには?

1. パッシブ設計とは?アクティブ設計との違い

まず、「パッシブ設計」とは何かをご説明します。

「パッシブ設計」とは、太陽の光や熱、風といった自然エネルギーを最大限に活用し、建物の構造や工夫によって快適な室内環境(温熱環境)を整える設計手法です。

一方、「アクティブ設計」は、エアコンや太陽光発電システムなどの最新設備を使って省エネや快適性を実現する手法を指します。

パッシブ設計とアクティブ設計は、どちらか一方を選ぶのではなく、これらをうまく組み合わせることで、より高性能で快適な住まいが実現できると考えられています。

2. なぜ、パッシブ設計が重要なのか?

近年、多くの住宅会社が高断熱・高気密性能をお客様に提案するようになりました。これは素晴らしいことなのですが、断熱・気密性能を高めただけでは、特に夏場に思わぬ落とし穴があるのです。

真夏の強い日差しが部屋にたくさん入ってくるような窓の配置やデザインだと、高断熱・高気密な家はまるで魔法瓶のように、一度入った熱を外に逃がしにくくなってしまいます
これは例えるなら、「真夏にダウンジャケットを着ている」ような状態です。断熱性能が高いのに、家の中が暑くて不快になってしまうのです。その結果、エアコンをフル稼働させることになり、電気代もかさんでしまいます。

このように、断熱・気密性能が高い家だからこそ、「日射(日差し)」をコントロールすることが極めて重要になります。パッシブ設計を取り入れることで、夏の冷房負荷や、冬の暖房負荷を減らすことができ、結果として光熱費の削減や、より快適な住空間の実現に繋がるのです。

3. パッシブ設計の具体的なポイント:日差しを制する!

パッシブ設計の中でも特に重要なのが、「日射取得」と「日射遮蔽」です。

夏:日射遮蔽 – 強い夏の日差しを家の中に入れないように遮る。

冬:日射取得 – 暖かい冬の日差しを積極的に家の中に取り込む。

夏は日差しを遮り、冬は日差しを入れたい。この「ちょうどいい」日差しをコントロールするためには、窓の大きさや位置、そして「庇」の計画が非常に重要になります。

3-1 窓と庇の計画がカギ

日本では、夏と冬で太陽の高度が大きく異なります。この太陽高度の違いを利用して、庇の出幅を適切に設計することで、夏は日差しを遮り、冬は部屋の奥まで日差しを取り込むことが可能になります。

窓の下端から庇の先端までの高さを「10」としたとき、庇の長さを「3」とする

この「10対3」の比率で計画することで、条件にもよりますが、夏の日差しを効果的にカットしつつ、冬は日差しをしっかり取り込めるようになります。窓の高さによって庇の最適な出幅も変わってくるため、バランスを取る検討が必要です。

3-2 日影図を活用し、近隣状況も考慮する

パッシブ設計においては、単に方角だけを見るのではなく、敷地にいつ、どのくらいの時間、どこに日が当たるか、あるいは影ができるかを正確に把握することが重要です。そこで活用されるのが日影図という図面です。敷地の日当たりや影の影響を知ることができ、窓の配置などを検討する際に役立ちます。

さらに重要なのが、「近隣の建物」や将来立つ可能性のある建物の影響を考慮することです。隣の建物が高い場合、南側に大きな窓を設けても、冬場に長時間影になってしまうことがあります。

実際に、南側にLDKを配置するのがセオリーと思われた土地でも、隣地に立つ建物の日影図を検討した結果、冬場に1日5時間も影になることもあるのです。

一般的には、南面に大きな窓を設け、東西の窓は極力小さくするのがパッシブ設計の基本的な考え方です。しかし、近隣の状況によって南からの日差しが期待できない場合は、東西の窓を適切に設け、日射の取得と遮蔽をコントロールしていくことも必要になります。

福岡での注文住宅の場合、地域の日照条件や近隣の状況も千差万別です。そのため、日影図を作成したり、近隣の建物の高さなどを確認したりして、敷地の状況をしっかりと把握した上で間取りや窓の計画を進めることをお勧めします。

パッシブ設計の事例:夏に涼しい快適な家

実際にパッシブ設計を取り入れて家を建てた富永の自邸、真夏の午後(14時頃)でも、南からの日差しが窓に綺麗にカットされており、エアコンも少量で済むほど大変涼しく過ごすことができるといいます。これはパッシブ設計が効果を発揮している良い例と言えるでしょう。

4. 福岡でパッシブ設計の注文住宅を建てるには?

パッシブ設計は、単に断熱材を多く入れたり、高性能な窓をつけたりするだけでなく、太陽の動きや近隣環境などを考慮した非常に繊細な設計が必要です。建築士であっても、考えることは難しく、誰もが簡単に見よう見まねでできるものではありません。

だからこそ、パッシブ設計を理解し、日影図の検討や近隣状況の調査なども含めてしっかりと設計してくれる住宅会社を選ぶことが重要です。

福岡で注文住宅をご検討される際は、ぜひ担当者にパッシブ設計について質問してみてください。日影図などを用いた検討をしてもらえるか確認することも、賢い会社選びの一助となるでしょう。

福岡で、夏は涼しく冬は暖かい、そして光熱費も抑えられる快適な注文住宅を実現するためには、高断熱・高気密に加えて「パッシブ設計」の視点を取り入れることが非常に重要です。
太陽の動きや近隣環境まで考慮したパッシブ設計は、確かに専門的な知識が必要ですが、その恩恵は長く続きます。

ぜひ、福岡で注文住宅を検討される際には、パッシブ設計について理解のある住宅会社にご相談ください。

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