福岡で注文住宅をご検討の皆様へ、土地選びは家づくりの最初のステップであり、非常に重要です。
実は、家を建てる方の約7割が土地から購入すると言われています。もし土地選びに失敗してしまうと、家づくり全体に後悔が残る可能性もあります。
今回は、土地選びで後悔しないために、プロが教える「買ってはいけない土地」3つのポイントを、動画の情報を元にご紹介します。
表面的な条件だけでなく、見落としがちな重要な点を知ることで、失敗しない土地選びを目指しましょう。
- 目次
- 1. 境界がはっきりしない土地
2. 周辺環境をよく分かっていない土地
3. 相場よりも安すぎる土地
4. 土地選びで一番大切な「フィーリング」
5. まとめ:後悔しない土地選びのために
1. 境界がはっきりしない土地
土地選びでまず確認すべき重要なポイントの一つが「境界」です。
境界は、現地では境界杭やプレートで示されており、敷地の範囲を明確にするものです。結論として、境界がはっきりしていない土地は買ってはいけません。
長期間使用されている土地では、隣地の所有者がブロックを設置したりすることで、境界がずれてしまうことがあります。また、昔測量された記録が現在の状況と異なっていることもあります。
【境界をはっきりさせるために必要なこと】
境界を明確にするためには、「確定測量」が必要です。
確定測量とは、隣地の所有者と境界を確認し合い、「ここが境界線で良いですね」と合意することです。最も望ましいのは、確定測量を行い、隣地所有者全員の合意を得た上で、法務局に登録されている情報と現況を一致させることです。
【なぜ確定測量されていない土地を避けるべきか?】
確定測量は費用と手間がかかる(50万〜100万円程度かかる場合もある)ため、買主から要望がない限り実施されないことが多いのが現状です。確定測量されていない土地を購入すると、大きく分けて2つの問題が発生する可能性があります。
住宅ローンの問題
銀行は土地を担保にして融資を行いますが、土地の面積が確定していないと、正確な担保評価ができません。法務局の記録と現況が異なったり、境界が曖昧だったりすると、「担保として大丈夫か?」と懸念され、ローンが通らないケースも稀にですが存在します。
隣地とのトラブル
境界が不明確だと、隣地との間でトラブルが発生する可能性があります。特に市内のように坪単価が高い土地では、境界が少しずれるだけで資産価値が数十万、数百万円単位で変わることもあります。また、境界ブロックのどちらの所有物か、維持・修繕費用をどう負担するかといった問題も起こり得ます。これらのトラブルは、家が建った後も続いてしまうため、購入前に解決しておくことが重要です。
【対策:購入前に売主に確定測量を依頼する】
最もスムーズなのは、売主さんの所有である間に確定測量を完了してもらうことです。気になる物件が見つかったら、まず確定測量済みか確認しましょう。もし済んでいない場合は、購入申し込みの際に、売主に確定測量を済ませた状態で引き渡してもらうよう交渉することが可能です。物件情報に「確定測量済み」と記載されていることも多いのでチェックしてみてください。交渉は、担当の住宅営業の方を通じて行うのが良いでしょう。
2. 周辺環境をよく分かっていない土地
二つ目のポイントは、周辺環境をよく理解しないまま購入する土地です。
【なぜ周辺環境の確認が重要か?】
家づくりは土地購入から始まりますが、特に人気の土地は問い合わせが多く、契約までのスケジュールがタイトになる傾向があります。申し込みから1週間で契約というケースも珍しくなく、この短い期間で周辺環境まで十分に調べられないことがあります。
しかし、周辺環境、特に隣地の方との人間関係は、家を建ててから一生続いていくものです。
特に重要な「隣地への挨拶」
購入を決める前に、必ず隣地の方へ挨拶に行くことをお勧めします。隣地の方がどのような方なのか、実際に会って話すことで分かることがあります。住宅営業担当者は、購入してもらいたいという気持ちから「良い人でしたよ」と言うかもしれませんが、相性やフィーリングはご自身でしか分かりません。
隣人トラブルのリスク
隣地の方との関係がうまくいかないと、様々なトラブルに発展する可能性があります。例えば、「家を建てたことで庭に日が当たらなくなった」「風通しが悪くなった」といった日照や通風に関する苦情、工事中の騒音に対する苦情や警察を呼ばれるといったケースも実際にあります。これらのリスクを減らすためにも、事前の周辺環境、特に隣地の方の人となりを知っておくことが大切です。
【対策:担当者と一緒に隣地へ挨拶に行く】
隣地への挨拶は、一人で行くのが不安であれば、住宅会社の担当者と一緒に訪問するのが良いでしょう。担当者は事前に不動産会社から隣地の方に関する情報を得ている場合もあるので、情報収集も兼ねられます。最終的にはご自身の感覚を大切にするためにも、一度は購入前に挨拶をしておくのが理想です。
3. 相場よりも安すぎる土地
三つ目のポイントは、相場よりも極端に安い土地です。安く買いたい気持ちは当然ですが、相場よりも安すぎる土地は、何かしらの問題が隠されている可能性が高いです。
【土地の価格はどう決まるのか?】
土地の売り出し価格は、不動産会社が周辺の売買事例などを調査し、相場を参考に設定することが一般的です。不動産会社が仲介に入る以上、極端に相場からかけ離れた安い価格で売り出されることは少ないです。もし相場より大幅に安い場合は、それは安くしないと売れない理由があると考えられます。
【安い土地に潜むリスク】
安い土地に隠された問題として最も多いケースの一つに、「高低差に伴う擁壁(ようへき)の問題」があります。擁壁とは、敷地と道路や隣地との間に高低差がある場合に、土が崩れないように積まれたブロックなどの構造物です。
問題となるのは、その擁壁が建築基準法などの基準を満たして適切に作られていない場合です。昔建てられた家にある擁壁の中には、適切な順序で建築許可などを得ずに作られているケースが多くあります。このような擁壁がある土地では、建て替えや新たに建物を建てる際に、建築に制限がかかったり、擁壁を作り直す必要が出てきたりする可能性があります。当然、擁壁を作り直すには多額の費用がかかります。
【対策:安い理由を徹底的に確認し、対策費用を計算する】
安すぎる土地を見つけたら、「お買い得だ!」と飛びつくのではなく、なぜ安いのかを徹底的に調べることが非常に重要です。特に擁壁がある場合は、それが適切に作られているか、再建築に問題がないかなどを住宅会社の担当者にしっかり確認してもらいましょう。そして、もし問題があった場合の対策にかかる費用を見積もってもらいます。対策費用を含めた総額が、周辺の相場と同じくらいか、あるいは高くなってしまうのであれば、購入を見送る方が賢明です。逆に、対策費用を考慮してもなお相場より安いのであれば、検討する価値があるかもしれません。
4. 土地選びで一番大切な「フィーリング」
ここまで「買ってはいけない土地」の特徴をお伝えしてきましたが、土地選びで最終的に最も大切にして欲しいことがあります。それは、「フィーリング」、つまり「この土地に住みたい」と思えるかどうかです。
どんなに条件が良い土地でも、なんとなく好きになれないと感じるのであれば、購入は慎重になった方が良いでしょう。逆に、条件が少し悪くても、「なんだかこの土地が好きだな」「ここが良いな」と感じる直感を大切にして欲しいのです。
もちろん、フィーリングだけで決めるのは危険ですが、今日の3つのポイント(境界、周辺環境、価格の理由)をしっかりと担当者と確認した上で、フィーリングの合う土地が見つかったら、勇気を持ってスピーディーに判断することも時には必要です。土地は一点ものですので、迷っている間に他の人に買われてしまうこともあります。
5. まとめ:後悔しない土地選びのために
福岡での注文住宅を成功させるためには、土地選びが非常に重要です。後悔しないためには、今日の3つのポイントである「境界の明確さ」「周辺環境(特に隣地)の確認」「相場より安い理由の確認」を必ずチェックしましょう。
これらの情報は、ご自身だけで調べるのが難しい場合もありますが、信頼できる住宅会社の担当者に相談すれば、調査や確認を手伝ってもらえます。気になる土地が見つかったら、積極的に担当者に質問し、不安な点を解消してください。
注文住宅は一生に一度の大きな買い物です。担当者任せにせず、ご自身も主体的に情報収集を行い、後悔のない土地選び、そして家づくりを実現しましょう。
ウィズダム建築設計では、福岡を含め、9つの都道府県で家づくりのお手伝いをしています。家づくりや土地探しについてご不安な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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