福岡で「そろそろマイホームを」とお考えの皆さん、注文住宅という選択肢は非常に魅力的ですよね。自分たちのこだわりを詰め込み、理想の暮らしを実現できるのが注文住宅の醍醐味です。しかし、数多くの住宅会社の中から、本当に信頼できる一社を見つけるのは簡単なことではありません。
「どんな基準で会社を選べば良いのだろう?」 「後悔しない家づくりのためには何を確認すべき?」
そんな疑問をお持ちの方のために、今回は良い住宅会社を見極めるためのたった5つの重要な質問をご紹介します。これらの質問を住宅会社に投げかけることで、その会社の家づくりに対する姿勢や、住まいの性能に対する考え方を深く知ることができます。福岡での注文住宅計画を成功させるために、ぜひ参考にしてください。
- 目次
- 1. UA値はいくつですか?BELS申請はしていますか?
2. 気密測定はしていますか?C値の平均はいくつですか?
3. 全館空調は標準ですか?
4. 耐震等級はいくつですか?構造計算はしていますか?
5. 制振装置はついていますか?
6. 最後に:すべてに「〇」をつけられる会社を選び、そして「人」で決めよう
1. UA値はいくつですか?BELS申請はしていますか?
最初の質問は、家の「断熱性」に関わるものです。
断熱性が高い家は、外の暑さや寒さの影響を受けにくく、一年中快適な室温を保ちやすくなります。福岡でも、夏は暑く冬は寒いという気候に対応するためには、断熱性能は非常に重要です。
この断熱性能を比較するための共通の指標として「UA値(外皮平均熱貫流率)」という数値があります。
建物全体の熱の逃げやすさを示す数値で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。例えるなら、車の燃費のように、異なる住宅会社の家でも比較できる数値です。
UA値を良くするためには、壁だけでなく「窓」の性能が非常に重要になります。
壁は厚みがあるため熱損失が少ないですが、窓は薄いため熱が逃げやすいからです。窓の断熱性能は、ガラスの枚数やサッシの素材によって大きく変わります。一般的なアルミサッシ+1枚ガラスは断熱性能が低いですが、最近では外側がアルミ、内側が樹脂の2枚ガラスや、高気密高断熱を追求する会社では外側・内側ともに樹脂を使用した2枚ガラスが使われることが多いです。さらに断熱にこだわる会社では、窓ガラスが3枚のトリプルガラスを採用しています。
アルミと樹脂では断熱性能に約1000倍もの違いがあるとも言われます。
では、どのくらいのUA値を目指せば良いのでしょうか?
残念ながら、日本の断熱性能基準はまだ義務化されておらず、住宅会社任せになっているのが現状です。しかし、欧米では0.4前後が法律で義務化されている国もあります。
福岡では、HEAT20という指標の「G2グレード」をクリアすることをおすすめいたします。UA値は0.46以下です。このG2グレードは、省エネで快適、そして健康的な家づくりができる目安となります。
さらに、このUA値が適切に達成されているかを「ベルス(BELS)認定」という形で確認しているかも重要なポイントです。ベルス認定は、その住宅会社だけでなく第三者機関が家を評価し、お墨付きを与えてくれる制度です。
福岡で信頼できる注文住宅会社を見つける上で、UA値が0.46以下であることに加え、ベルス認定を取得しているかを確認しましょう。
2. 気密測定はしていますか?C値の平均はいくつですか?
断熱性能と並んで、家の快適性には「気密性」も非常に重要です。
いくら断熱性能が高くても、家に隙間がたくさんあると、そこから冷たい空気や隙間風が入り込み、暖房や冷房の効果が十分に発揮されません。まるで、穴だらけのダウンジャケットを着ているような状態です。そんな家、想像しただけでも恐ろしいですよね?
気密性能を示す指標は「C値」です。
これは家全体の隙間の合計面積を延床面積で割ったもので、数値が小さいほど気密性能が高いことを示します。
UA値と異なり、C値は実際に建築された家で現場測定を行うことで確認されます。
C値が重要になるのは、住宅会社の「現場の施工能力」が大きく影響するからです。気密性能を高くするためには、職人さんの丁寧で正確な施工が不可欠です。
良い気密性能の目安は、C値の平均が0.5以下であることです。そして、その数値を保証するために、全棟で気密測定を標準で実施しているかを確認しましょう。
福岡で高気密・高断熱な家を建てるなら、この質問は欠かせません。
3. 全館空調は標準ですか?
このシステムは、ご家族の「健康」と「安全」に深く関わってきます。特に高齢者の方にとってリスクが高い「ヒートショック」を防ぐために重要です。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって体に負担がかかる現象です。
暖かいリビングから寒い廊下や洗面所、浴室などに移動した際に、血管が収縮し血圧が大きく変動することで起こります。日本では、このヒートショックが原因で亡くなる方が非常に多く、年間約16,000人に上ると言われています。これは交通事故死亡者数(年間約4,000人)の4倍にもなります。
ヒートショックは、家の中での温度差が10℃以上ある場合に起こりやすいとされています。リビングは暖かくても、脱衣所や浴室に暖房がない家が多いため、そこで大きな温度差が生じてしまうのです。どんなに断熱性能が高い家でも、家の中に温度ムラがあればヒートショックのリスクは高まります。
理想的なのは、家の中の温度差を3℃から5℃以内に抑えることです。そのためには、リビングだけでなく、洗面所やトイレ、廊下といった場所も暖かい状態に保つ必要があります。これを実現する有効な方法が「全館空調」です。家全体を一定の快適な温度に保つことで、温度差をなくしヒートショックの危険性を大幅に減らすことができます。
全館空調は日本ではまだ贅沢品というイメージがあるかもしれませんが、欧米では当たり前の考え方です。これからの100年時代、老後を快適かつ安全に過ごすためにも、全館空調は非常に有効な設備と言えます。
ただし、全館空調システムの導入・設計は非常に難易度が高く、豊富な経験と高い技術力が必要とされます。そのため、オプション対応ではなく、全棟で全館空調を標準仕様としている会社を選ぶことをお勧めします。これは、会社が家づくりの難しさを理解し、経験を積み重ねている証拠だからです。
4. 耐震等級はいくつですか?構造計算はしていますか?
4つ目の質問は、地震に対する建物の「強さ」に関わるものです。日本は地震が多い国であり、家づくりの際には地震への備えが非常に重要です。地震が起こるたびに耐震基準は改正されてきましたが、それでも熊本地震では多くの耐震住宅が倒壊しました。これは、耐震住宅にもレベルがあることを示しています。
建物の耐震性能は「耐震等級」という3段階の指標で示されます。
・ 耐震等級1
建築基準法で定められた最低限の基準。
・ 耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の強度。長期優良住宅の基準。
・ 耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の強度。消防署や警察署など防災拠点となる建物と同等のレベル。
熊本地震のデータでは、耐震等級1や2の家が倒壊するケースがあったのに対し、耐震等級3の家は無被害で済んだケースが多かったことが分かっています。等級3の家は、地震後も避難所に行かずに自宅で生活できた方が多かったというデータもあります。
しかし、耐震等級3であれば安心かというと、そうとも限りません。重要なのは、その耐震等級が「構造計算」によってしっかりと裏付けられているかです。
構造計算とは、建物の重さや地震、風圧などの力に対して建物が安全であるかを、専門家(構造設計事務所など第三者機関)が詳細に計算し、検証するものです。
一方で、「耐震等級3相当」といった表現を使う会社もあり、これは構造計算ではなく「壁量計算」といった簡易的な計算で耐震性能を評価している場合があります。残念ながら、日本では構造計算をしていない耐震等級3相当の家が多く流通しています。
福岡で本当に地震に強い注文住宅を建てるなら、耐震等級3を標準仕様とし、さらに全棟で構造計算を実施している会社を選ぶことが非常に重要です。
5. 制振装置はついていますか?
最後の質問は、前述の耐震性能と合わせて、地震から「生命と財産」を守るためのものです。
耐震等級3+構造計算で建物自体は地震に強くても、地震の「揺れ」自体を完全に抑えることはできません。大きな地震では建物が大きく揺れ、家具の転倒や家電が飛んでくるといった危険があり、人命や家の中の財産が損なわれる可能性があります。
ここで重要になるのが「制振装置」です。耐震が「建物が倒壊しないように支える」役割であるのに対し、制振は「地震の揺れを吸収し、揺れ自体を小さく抑える」役割を担います。耐震等級3の建物に制振装置をプラスすることで、建物を守るだけでなく、家の中の揺れを抑え、家具転倒などによる被害を防ぎ、ご家族の生命と大切な財産を守ることにつながります。
制振装置自体は、比較的容易にオプションで取り付けられるものですが、これを標準仕様としている会社を選ぶことがポイントです。なぜなら、制振装置の標準採用は、その住宅会社が「お客様の命と財産を守る」という強い意思を持っていることの表れだからです。
福岡での家づくりにおいて、この点も確認し、安心して暮らせる家を選びましょう。
6. 最後に:すべてに「〇」をつけられる会社を選び、そして「人」で決めよう
今回ご紹介した5つの質問、これらの質問すべてに、自信を持って「〇」と答えられる住宅会社は、性能が高く、お客様のことを真剣に考えて家づくりをしている会社である可能性が高いと言えるでしょう。
福岡にも、このような基準をクリアしている素晴らしい住宅会社はたくさんあります。
これらの基準で会社を絞り込んだ後は、最終的に「担当者」で決めることをお勧めします。家づくりは担当者との二人三脚で進めるものです。その担当者の相性、提案能力、そして何よりも誠実さや真面目さが、最高の家づくりを実現できるかを左右します。
福岡で理想の注文住宅を建てるために、ぜひこの5つの質問を住宅会社に投げかけ、性能と人の両面から、信頼できるパートナーを見つけてください。
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