福岡で理想の注文住宅づくりを検討されている皆様、こんにちは。
家づくりにおいて、間取りの生活動線はもちろん重要ですが、お家の中で過ごす時間の長さを考えると、内観デザインも非常に重要ですよね。
内観が整っていると、気分が上がったり掃除のモチベーションが上がったりと、暮らしの満足度が高まると言われています。

しかし、「おしゃれな内観にしたいけど、具体的に何をすればいいか分からない」「設計段階でどんなことに気を付けるべき?」と感じている方も多いのではないでしょうか?

実は、基本的な間取りが同じでも、少しの工夫で内観のクオリティは劇的に高まるのです!

今回は、デザインのプロが教える、誰でも実践できる簡単なデザインの基本と、さらに質を高める応用的な手法について、具体的に解説していきます。どんなインテリアコーディネートをしても、ベースがしっかりしていないとおしゃれにはならなりません!
デザイン性の基盤となる「設計的な工夫」を紐解いていきましょう。

目次
1. シンプルな間取りでも内観デザインを格段に良くする5つの基本
   1)羽目板(巾木)を薄くする
   2)室内の扉(建具)をハイドアにする
   3)窓枠をなくす
   4)窓のサイズを大きくする
   5)窓の高さと天井の高さを合わせる

2. デザインは「引き算」が基本

3. さらに質を高める応用デザイン(オプション)
   1)中間領域と連続性
   2)長期的に愛せるデザインのために

4. まとめ:理想の福岡 注文住宅を実現するために

1. シンプルな間取りでも内観デザインを格段に良くする5つの基本

まずは、コストも抑えつつ、誰でも取り入れやすい基本的なデザインの工夫を5つご紹介します。これらは、基本的な間取りのままでも内観を整えやすくするための必須条件とも言えます。

1-1 羽目板(巾木)を薄くする

羽目板(巾木)とは、壁と床の継ぎ目部分にある部材のことです。クロスと床の異なる素材のつなぎ目を隠したり、掃除機などがクロスに当たって傷つくのを防ぐ役割があります。

デザインの感度が低い住宅会社さんの中には、分厚い巾木を使うケースが見られます。巾木の存在感が強すぎると、目立たせたくないところに視線がいってしまい、スッキリしない印象を与えてしまいます。

そこで、薄い巾木を採用することをおすすめします。
一般的に、厚み30mm程度のものが薄い巾木とされており、これを使うことで空間全体がスッキリとした印象になります。デザインはこうした細部の積み重ねで、無駄のない洗練されたものになっていくのです。この変更は費用的な負担も比較的少ないと言われています。

1-2 室内の扉(建具)をハイドアにする

室内の扉(建具)を、天井いっぱいまでの高さがあるハイドアにすることも、空間をスッキリ見せる有効な手法です。
一般的な天井高(2m30cm〜2m50cm程度)に対して、扉の高さが低い場合(例: 2mの扉の場合)、扉の上部に約40cmの垂れ壁ができます。この垂れ壁がいわば「ノイズ」となり、圧迫感を生み出してしまうのです。

ハイドアを採用することで、天井いっぱいまで開口部が広がり、扉を開け閉めした際の空間の繋がりがスムーズになります。また、空間に高級感を与えることにも繋がります。
多くのメーカーがハイドアに対応した既製品を取り扱っているため、変更を希望すれば対応可能な住宅会社がほとんどでしょう。デザインを整えるためにも、ハイドアの採用をおすすめいたします。

1-3 窓枠をなくす

窓の周りに取り付ける窓枠をなくすことも、スッキリとした内観デザインを実現する手法です。

窓枠には、サッシ取り付け時のビスを隠したり、防水の役割、そして角のクロスがへこむのを防ぐ保護材としての役割があります。しかし、最近は窓の開け閉めが減ってきていることもあり、窓枠が不要だと感じる方が増えています。
窓枠があることで無駄な部材が増え、スッキリしない印象になることがあります。窓枠をなくすことで、室内が大幅にスッキリし、ノイズの少ない空間になります。
ただし、窓枠をなくす際には注意が必要です。特に、バーベキューなどで頻繁に開け閉めしたり、物の出し入れをするような掃き出し窓の場合、角に物が当たってクロスがへこみやすくなる可能性があります。動線を考慮して採用を検討することが大切です。

また、窓枠をなくすとクロスがサッシの枠に直接当たる形になるため、窓の性能が非常に重要になります。結露しやすい性能の窓だと、水がクロスに当たって剥がれの原因になる可能性があるからです。結露しにくい樹脂サッシやペアガラス、さらにはトリプルサッシなど、断熱性能の高い窓を選ぶことが、窓枠をなくすデザインを採用する上での必須条件と言えます。最近は高断熱ニーズや補助金の関係もあり、樹脂性のサッシを採用する会社が増えているため、こういった点を確認すれば問題は少ないでしょう。

1-4 窓のサイズを大きくする

窓のサイズを変更するだけでも、内観の印象は大きく変わります。
とくに掃き出し窓において、一般的な幅(1m50cm〜1m60cm程度)や高さ(2m程度)から、幅を2m10cm〜2m50cm程度に広げ、高さも上げることで、開口部が大きくなり、外との一体感や開放感が生まれます。

大きな窓は、目線を庭など外部空間に誘導する効果があり、空間の対角線距離を長く感じさせることで、部屋全体を広く見せる効果が期待できます。

しかし、窓を闇雲に大きくするのは絶対に避けるべきです。
窓は壁に比べて断熱性が低いため、窓が大きいと、夏は日差しが入りすぎて暑く、冬は熱が逃げやすく寒くなる、という不快な住環境になりかねません。
大きな開口部を設ける際は、パッシブ設計という考え方に基づき、日差しのコントロールを考慮する必要があります。夏の強い日差しは軒などで遮り、冬の低い日差しは取り入れる といった工夫が必要です。
大きな窓を採用する際は、その根拠や日射対策についてしっかり説明できる住宅会社を選ぶことが非常に重要です。

1-5 窓の高さと天井の高さを合わせる

こちらもハイドアの考え方と同様に、窓の高さと天井の高さをできるだけ合わせることで、窓の上部にできる垂れ壁をなくし、スッキリとした内観を実現する手法です。

例えば、窓の高さを天井いっぱい(2m40cmなど)にする、あるいは窓の高さを少し下げた場合(2m20cmなど)でも、その窓の高さに合わせて周辺の天井を下げる ことで、無駄な垂れ壁が生じず、ノイズの少ない空間になります。

さらに、天井を意図的に下げることで、その部分に間接照明などを組み込みやすくなり、より効果的な照明計画が可能になるというメリットもあります。

2. デザインは「引き算」が基本

これまでご紹介した基本的なデザインの工夫は、共通して「無駄な部材や要素を削ぎ落としていく」という考え方に基づいています。デザインにおいては、「引き算」が基本だと考えてください。

多くの部材や要素を足し算していく手法もありますが、これはプロでも非常に難しく、バランスを崩すとちぐはぐな印象になりがちです。まるで、良い素材を使っても調味料を加えすぎて料理が美味しくなくなるようなものです。

本当に見せたいポイントがあるならば、それ以外の部分はシンプルに削ぎ落としていく。
これが、洗練されたデザインを作る上で分かりやすいアプローチです。かっこいいデザインには、必ずこうした理由や全体的なバランスが考慮されています。

3. さらに質を高める応用デザイン(オプション)

基本的な工夫に加え、コストはかかりますが、内観デザインの質をさらに高める応用的な手法もご紹介します。

3-1 中間領域と連続性

大きな窓の外にウッドデッキを設け、室内の天井材と同じ素材を屋外の軒天まで連続させる手法は、非常に人気の高いデザインです。これにより、室内と屋外の境界が曖昧な「中間領域」が生まれます。この曖昧な領域ができることで、空間が実際よりも広く感じられたり、目線が自然と屋外に誘導されたり といった効果が得られます。

また、テレビボード裏の壁など、室内の壁の一部に外壁と同じ素材を使うことも、内外の空間に連続性を持たせ、中間領域を生み出す効果があります。外の空間を室内に取り込むような工夫で、デザインのレベルを格段に引き上げることができます。実際の施工事例でも、軒天と室内の天井、外壁と室内の壁を同質材で繋げることで、非常に洗練された空間を実現しています。

3-2 長期的に愛せるデザインのために

注文住宅のデザインを考える上で大切なのは、「今」だけでなく、「この家に長期的に住み続けられるか」「好きでいられるか」という視点を持つことです。

家全体をコテコテに作り込みすぎると、後で模様替えをしたいと思った時に難しくなることがあります。建物のデザインはシンプルで洗練された状態にしておき、家具やカーテン、小物などで色味や雰囲気を変えていくことで、飽きがこず、その時々の好みに合わせて変化を楽しむことができます。過去に紹介されたトレンドカラーを取り入れるノウハウも、この「ベースはシンプルに作り込む」という考え方に基づいています。

4. まとめ:理想の福岡 注文住宅を実現するために

今回は、福岡での注文住宅づくりにおいて、同じ間取りでも内観の質を大きく変えることができる、基本的な5つの工夫と応用的な手法についてご紹介しました。

これらの工夫は、一つ一つは決して難しいことではありません。しかし、こうした細部への配慮が積み重なることで、洗練されたノイズの少ない内観が生まれます。デザインの基本は「引き算」であり、いらないものを削ぎ落とすことで美しい空間が生まれるのです。

意外と、こうした基本的なデザインのポイントに気を配って提案をしてくれない住宅会社さんも存在します。これから福岡で注文住宅を検討される皆様は、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、ご自身の家づくりにおいて、担当の設計士さんがこうした点に配慮した提案をしてくれているか、チェックしてみてください。

内観は、実際に住み始めてからの居心地や満足度に大きく関わってきます。デザインの工夫を楽しみながら、後悔のない理想の注文住宅を実現しましょう。

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