福岡で注文住宅をご検討中の皆様、一生に一度の大きな買い物である家づくり、誰もが後悔したくないですよね。デザインや間取りはもちろん大切ですが、資金計画、特に「住宅ローン控除」について深く理解しておくことは、実は非常に重要です。
住宅ローン控除は多くの方が利用するお得な制度ですが、その仕組みは複雑で、表面的な情報だけでは「知っているつもり」になっている方が少なくありません。そして、多くの人が「知らなかった!」「勘違いしていた!」と、本来受けられるはずのメリットを最大限に活かせていないケースがあるのです。
今回は、国土交通省の情報を基にした住宅ローン控除の基本から、多くの人が見落としがちな3つの重要なポイントについて、詳しく解説します。福岡で注文住宅を建てるあなたが、この制度で最大限に得をするためのヒントが満載です。
- 目次
- 1. 住宅ローン控除とは?
2. いくら戻ってくる?「納めた税金が上限」の落とし穴
3. 借りた額=対象額じゃない?「控除対象」の落とし穴
4. いつまでに入居すべき?「入居時期」の落とし穴
5. まとめ:住宅ローン控除は「知っているか知らないか」で結果が変わる
1. 住宅ローン控除とは?まずは基本をおさらい
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合に、毎年末のローン残高の一定割合を所得税や住民税から控除する制度です。
現行制度では、毎年末のローン残高の 0.7% が還付(控除)される仕組みになっています。この控除は、原則として住宅の種類や性能に応じて最長13年間受けられます。還付されるのは、ご自身が納めた所得税と、一部の住民税からです。(参照:国土交通省ホームページ)
ここまではご存知の方も多いかもしれません。しかし、ここからが多くの人が勘違いしやすいポイントです。
2. いくら戻ってくる?「納めた税金が上限」の落とし穴
「年末のローン残高の0.7%が戻ってくる」と聞くと、例えば4500万円のローン残高があれば、年間31万5000円(4500万円 × 0.7%)がそのまま戻ってくる、と思いがちです。しかし、これはあくまで控除の「枠」であり、実際に戻ってくる金額には上限があります。
重要なのは、「納めた税金(所得税と住民税の一部)が上限」となるという点です。納めていない税金からは還付されません。
多くの人が、自分が所得税・住民税をいくら納めているかを把握していません。ここが落とし穴です。
例えば、年収440万円の会社員(配偶者・子供なし)の場合、年間の所得税は約10万円、住民税は約20万円程度です。住宅ローン控除で所得税から控除しきれなかった分は住民税からも控除できますが、住民税からの控除額には 9万7500円という上限があります。この場合、たとえ年間31万5000円の控除枠があったとしても、実際に戻ってくる金額は所得税の約10万円と住民税上限の9万7500円を合わせた約19万7500円となります。
「年間31万5000円戻ってくる」と期待していたのに、実際には約19万7500円しか戻ってこないとしたら… その差額分は、制度を最大限に活用できていないことになります。
では、どうすれば最大限の控除を受けられるのでしょうか?
・ご自身の年収でいくら税金を納めているか確認する。
・年収630万円を超える方:
一人で納める所得税と住民税で最大控除額を受けきれる可能性があります
・夫婦共働きの場合:二人でローンを組む「ペアローン」や「連帯債務」も検討する。
二人でローンを組むと、それぞれの所得税・住民税から控除を受けられるため、世帯全体で見たときに控除枠を最大限に使いきれる可能性が高まります。特に、一人では最大控除額に届かない年収の場合、ペアローンにすることで二人分の税金から控除を受けられ、合計の還付額が増えるケースが多いです。
※産休や育休を使う際は、所得税を払わない期間が発生し、その期間は控除を受ける幅が少なくなるためご注意ください。
・ふるさと納税との兼ね合いも考慮
住宅ローン控除で住民税の控除枠を使いすぎると、ふるさと納税の控除枠が減る可能性があります。所得税で住宅ローン控除を受けきり、住民税はふるさと納税に使うという選択肢も、総合的に見てメリットがある場合があります。
これらの点は、ご自身の年収やご家族の状況、将来のライフプランによって最適な方法が変わります。表面的な計算だけでなく、ご自身の状況に合わせたシミュレーションが不可欠なのです。
3. 借りた額=対象額じゃない?「控除対象」の落とし穴
住宅ローン控除の対象となる借入額には、住宅の性能レベルに応じた上限が定められています。
上限
・省エネ基準の住宅:借入上限3000万円
・ZEH基準の住宅:借入上限3500万円
・長期優良住宅・低炭素住宅:借入上限4500万円
例えば、長期優良住宅を建てて4500万円のローンを組んだ場合、「4500万円すべてが控除の対象になる」と思っていませんか?
これもまた勘違いが多いポイントです。実は、借り入れた金額すべてが住宅ローン控除の対象になるわけではありません。
控除の対象となるのは、主に「建物の契約書」と「土地の契約書」に記載された金額です。
一方、家づくりにかかる費用の中には、住宅ローン控除の対象とならないものがあります。
・諸費用: 火災保険料、住宅ローン手数料、登記費用など
・外構費用: 庭や塀、駐車場などの工事費用
例えば、総予算4500万円で内訳が「建物3000万円、土地1000万円、諸費用・外構費用など500万円」だったとします。この場合、たとえ4500万円フルでローンを組んだとしても、控除の対象となるのは建物と土地の合計4000万円となります。この4000万円に対して0.7%がかけられ、そこから税金を上限とした金額が還付される、ということです。
最近は、手元に自己資金を残しておきたい、万一の際の団信(団体信用生命保険)メリットを受けたい、といった理由から「フルローン」を選ぶ方も増えています。しかし、控除対象外の費用が含まれる部分までローンを組んでも、その部分は住宅ローン控除のメリットを受けられません。
ご自身の家づくり計画で、何が控除の対象になり、何が対象外なのかを正確に把握しておくことが、期待通りの控除額を得るために非常に重要です。
4. いつまでに入居すべき?「入居時期」の落とし穴
現行の住宅ローン控除制度を利用するための重要な条件の一つに、「2025年12月末までに入居すること」 があります。
「あと1年以上あるから大丈夫だろう」と思っていませんか? 特に注文住宅の場合、契約から入居までには意外と時間がかかります。
一般的なスケジュールとしては、
①住宅会社との契約
②間取りなどの図面打ち合わせ(約2ヶ月~)
③仕様(外壁、内装、設備など)の打ち合わせ(約2ヶ月~)
④役所への建築確認申請や長期優良住宅などの申請・許可取得(期間は申請内容による)
⑤着工
⑥建築工事(約4ヶ月~、住宅会社や工法による)
⑦完成・引き渡し
⑧入居
これに加えて、住宅会社によっては打ち合わせの進め方や工期が異なります。特に長期優良住宅など、役所申請に時間がかかる場合もあります。
例えば、2025年末までの入居を目指す場合、建築に4ヶ月かかるなら8月頃には着工している必要があります。その着工までに、打ち合わせや申請完了を逆算すると、今すぐ計画を始めても決して余裕があるわけではありません。
早期に、住宅会社と具体的な入居時期から逆算したスケジュールをしっかり確認することが不可欠です。
また、制度が2025年末以降も続くかは現時点では確定していません。過去には控除率が1%から0.7%に下がったり、期間が10年から13年に変わったりといった改正がありました。今後、制度内容が悪化する可能性もゼロではありません。住宅ローン金利の状況や、経済活性化という制度本来の目的から見ても、条件が厳しくなる可能性は十分に考えられます。
物価上昇が続く現状も踏まえると、いつ家を建てるのがご自身にとって最適か、そして現行の有利な制度を最大限に活用するにはどうすべきか、早期に真剣に検討する必要があります。
5. まとめ:住宅ローン控除は「知っているか知らないか」で結果が変わる
住宅ローン控除は、家づくりにおける資金計画の非常に重要な要素です。しかし、ご紹介したように、表面的な情報だけでは見落としがちな落とし穴がたくさんあります。
・いくら戻ってくるか、ご自身の年収・家族構成で正確にシミュレーションしていますか?
・借りた金額すべてが対象ではなく、何が控除対象になるか正確に把握していますか?
・現行制度のメリットを受けるため、2025年末までの入居に向けた具体的なスケジュールを立てていますか?
これらのポイントは、多くの住宅営業マンが詳しく説明しない場合もあります。しかし、知っているか知らないかで、手元に残る金額が大きく変わってきます。
福岡で注文住宅を検討される際は、住宅ローン控除だけでなく、物価高、家賃、光熱費など、家づくりにかかる全体像をしっかりと整理し、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な資金計画を提案してくれる専門家(住宅会社)を見つけることが成功の鍵となります。
ウィズダム建築設計では、福岡での豊富な実績と専門知識に基づき、お客様が住宅ローン控除を最大限に活用できるよう、丁寧な資金計画シミュレーションや分かりやすい説明を心がけています。お客様の「知らなかった!」や「損した!」をなくし、安心・納得の家づくりをサポートいたします。
福岡で理想の注文住宅を実現するために、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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