一生に一度の大きな買い物だからこそ、絶対に後悔したくないですよね。しかし、情報が溢れる中で「本当に必要なもの」「実は不要なもの」を見極めるのは難しいものです。

今回は、多くの家づくりをサポートしてきた住宅のプロが警鐘を鳴らす、「選ばなければよかった…」となりがちな時代遅れの採用項目を6つのポイントに分けて21個ご紹介します。

福岡で注文住宅を検討されている方は、ぜひ以下の動画を参考にしてみてください。

目次
1. 窓に関する後悔ポイント
   1)東西の窓
   2)お風呂・トイレの窓
   3)天窓(トップライト)
 
2. 外装に関する後悔ポイント
   1)外壁材に天然木材を使用

3. 内装に関する後悔ポイント
   1)床の張り方向
   2)作り付けの造作家具・カウンター
   3)中途半端な回遊動線
   4)はしご付きの小屋裏収納
   5)床下収納ー点検口タイプー
   6)高さ2mのクローゼット扉
   7)多すぎるニッチ

4. 設備に関する後悔ポイント
   1)容量ミスのある太陽光発電
   2)特定負荷にしか使えない蓄電池
   3)小さすぎる宅配ボックス
   4)木製のウッドデッキ
   5)スレート瓦屋根ーコロニアル・カラーベストー
   6)不要なバルコニー
   7)朝型の食洗機
   8)小さすぎるトイレの手洗い器
 
5. 間取りに関する後悔ポイント
   1)勝手口


1. 窓に関する後悔ポイント

まず一つ目は、窓です。
窓は採光や通風には欠かせない、快適な住まいを実現するために必要不可欠なものですが、設置場所や種類によっては実は後悔の原因になってしまうことも。

1-1 東西の窓

朝日を浴びていい一日をスタートしたい、という方もいらっしゃるのではないでのしょうか?
とにかく自然光を浴びたい、と全方位に窓を付けたいと望む方も中にはいらっしゃると思います。
しかし、東西の窓は、夏場の強烈な日差しを取り込みやすいものです。
室温が上昇するのはもちろんのこと、冷房効率の悪化にもつながります。
日射しは、遮光カーテンでも完全には防ぎきれないことが多く、南面の窓で十分な採光が確保できるならば、費用対効果を考えても避けてもいいのではないでしょうか?

1-2 お風呂・トイレの窓

主に、換気をするために設置することが多く、気持ちの良い明るさを取り込み、快適なお風呂空間を実現します。
しかし、防犯面やプライバシー確保のために結局開けなくなってしまうケースが多く、実は、掃除の手間が増えるだけになりがちです、、、
窓があるということは、壁に穴をあけている状態にもなりますので、断熱性の低下にもつながります。
結局換気扇だけで済ませてしまうこと多くなり、費用対効果は低くなりがちです。

1-3 天窓(トップライト)

明かり取りで設けられることの多い天窓ですが、実は、雨漏りのリスクが非常に高い窓になります。
南中高度で、夏は暑く眩しく、そして高い場所にあるため掃除をするの難しい少々厄介な存在です。
台風などで物が落下してきた際の破損リスクにも考慮する必要があります。
とはいえ、狭小地で快適に暮らすためには大前提必要にはなってきますので、注意が必要ということだけ覚えておいていただければと思います。


2. 外装に関する後悔ポイント

家の顔となる外装材ですが、素材選びはメンテナンス性も重要です。

2-1 外壁の天然木材使用

天然木材の良さは、何よりもそのデザイン性です。
日本古来の木材の良さと、雰囲気が相まって、ナチュラルな雰囲気をもたらします。
その反面、紫外線や雨風による劣化が早く、定期的な塗装などのメンテナンスが必須です。
手間とコストを考えると、窯業系サイディングやガルバリウム鋼板など、他の選択肢も検討しましょう。
アクセントとして天然木材を使うのであれば、軒下など劣化しにくい場所に使用することをおすすめします。
もしくは木目調のサイディングを使うことで、メンテナンス性を高めることができ、デザイン性との両立が叶えられます。


3. 内装に関する後悔ポイント

デザイン性だけでなく、暮らしやすさや将来の変化を見据えた選択が大切です。

3-1 床の張り方向

家づくりで見落としがちになってしまうものです
せっかく足触りのいいお気に入りの床材を選定していても、張り方向を間違えてしまうだけで部屋の雰囲気がガラッと変わってしまいます。
方向が違うだけで、同じ床材なのに見切り材を使用する必要が出てきたり、部屋が狭く見えてしまったり、見た目の統一感が損なわれるだけでなく、掃除も面倒になりかねません。
複数の部屋の張り方向を同じにそろえたり、同じ高さにそろえることは、小さくても広い家を演出する際にも必須なポイントになります。

3-2 作り付けの造作家具・カウンター

自分たちのライフスタイルに合わせて特注で製作できる造作家具は注文住宅の魅力の一つですが、変化に対応しにくいのが難点です。
今のライフスタイルと10年後のライフスタイルは同じでしょうか?
作り付けで動かすことができないため、模様替えが難しく、将来持て余す可能性も出てきます。
本当に長く使うのかどうか、既製品で代替できないか慎重に検討しましょう。

3-3 中途半端な回遊動線

最近人気の家事楽動線は、各部屋が隣り合うことで移動する距離を短くすることで実現します。
しかし、同時に通路を設けることにもなり、通路距離が長すぎると結局使わなくなりがちに。
「あったら便利かも」程度であるならば、床面積の拡充のためのコスト増や収納スペース減を招く可能性にもなりえます。
生活動線上に自然に組み込まれるように配置できることが望ましいといえます。

3-4 はしご付きの小屋裏収納

ロフト収納に憧れる方も多いのではないでしょうか?
物置のような位置で、かつ隠れ家のような場所は子供にとっても大人にとっても魅力的な空間です。
とはいえ、はしごが急なため危険な上、大きな物や重い物の出し入れが困難。実用性は低いことも。
お家でのナイトシアターや子供の遊び場などに用途を考えてスペースを設けたり、収納量を増やすのであれば、固定階段や2階廊下からのアクセスを検討し、目的をもってスペースを配置することをおすすめします。

3-5 床下収納(点検口タイプ)

点検口にあるプラスチック製の収納は、実は使いにくく、点検時に中身を出す手間が発生しま。
湿気やカビのリスクもあるため、備蓄品の保管にも不向きです。
標準設備でないのならば、オプションで付けるほどではないと考えます。
標準仕様であれば、湿気に注意して使用することで、収納量はアップすること間違いなしです。

3-6 高さ2mのクローゼット扉

基本的な天井の高さは2m40cmです。収納も、天井まであるものがほとんどだと思います。
対して、一般的な扉の高さは2m、枕棚の高さは1m80cmと、その間は20cmしかないのです。
そのため、枕棚の上にものを置くとなると、そもそも20cmの隙間で出し入れすることになり、入れられるものが限られてしまい、実はデッドスペースになってしまうのです。
収納力を最大限活かしたいのであらば、空間まで意識して天井までのハイドアタイプがおすすめです。

3-7 多すぎるニッチ

ワンポイントのアクセントとして取り入れるのに人気なニッチ。
適度な数ならアクセントになり、とてもかわいいですが、多すぎるとまとまりがなくなってしまいます。
凹んでいるため、ホコリがたまりやすい部分にもなり掃除も大変です。
意図を明確にして、設置場所を厳選することで、効果的なアクセントにすることをおすすめします。


4. 設備に関する後悔ポイント

便利な設備も、容量やタイプ選びを間違えると宝の持ち腐れになってしまう可能性も。

4-1 容量ミスのある太陽光発電

一般的にパワコンの容量は、パネル容量より少し小さめが良いとされています。
一年中フルMAXで発電効率がいいわけではありません。
天気や季節によっては、想定される発電効率から落ちてしまうことも少なくないからです。
また、初期費用が高いため、発電量とパワーコンディショナー容量のバランスが重要になってきます。
最適な容量を担当者としっかり相談しましょう。

4-2 特定負荷にしか使えない蓄電池

蓄電池には、特定負荷型と全負荷型の二種類が展開されていますが、特定負荷型は、災害時、限られたコンセントでしか電気が使えません。
そのため、全負荷型が理想ではありますが、コストを考えますと高性能なポータブル電源も有効な選択肢ではないでしょうか?

4-3 小さすぎる宅配ボックス

新しい家に引っ越して1か月はとくに、生活を整えるために収納用品などネットで頼んでそろえることが多くなるかと思います。
そんな時、せっかく頼んだ荷物が配達BOXに入らず、再配達になってしまうことも考えられます。
今は、置き配のシステムもありますが、全部が全部対応しているわけではありませんよね。
結局再配達になってしまうなら配達BOXを設置している意味がありません。
設置するのであれば、大きめの据え置きタイプか、置き配の活用を検討しましょう。

4-4 木製のウッドデッキ

雰囲気が良く、温かみを感じ、リビングと隣り合っている場合などは特にその魅力が発揮されます。
ですが、劣化が早く定期的なメンテナンスが必須です。
直射日光による紫外線ダメージや雨風を侮ってはいけません。
多くの木製のウッドデッキは紫外線や雨風に耐えることができず、次第にボロボロになっていきます。
そのような状態になる前に、定期的に塗装を行うことで、色や形を保つことができますが、毎年毎年お手入れできる人は多くはないと思います。
手間やコストを考えますと、メンテナンスフリーに近い樹脂製を使用することをおすすめします。

4-5 スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)

最近は採用が減っていますが、比較的安価のため今でも30%の屋根で使用されています
とはいえ、色褪せやコケ、割れが発生しやすく、定期的に塗装を行い、メンテナンスを行うことが必須になります。
生涯コストを踏まえますと、費用対効果が最も低く、安価とは言えない商品であるといえます。

4-6 不要なバルコニー

防水のための初期設置費用だけでなく、定期的なメンテナンスの費用と手間もかかります。
固定資産税も上がる可能性があり、トータルコストで見ると多くの費用が発生します。
洗濯物を干すことが主目的であるのならば、室内干しスペースやランドリールームを設けることをおすすめいたします。
また、外干しを望むのであれば、老後も踏まえて庭にスペースを設けることも一つの方法ではないでしょうか?

4-7 浅型の食洗機

標準設備として付属でついていることの多い浅型の食洗器は、容量不足で食器があまり入らず、結局手洗いが増え、ストレスになることも。
予算が許すのであれば、深型や海外製の大型タイプを検討すると、家事の負担が大きく減ります。

4-8 小さすぎるトイレの手洗い器

手を洗うには、少し狭く、また水はねがしやすく、結局洗面所で手を洗い直し、、、となりがちです。
ボウルの外に水がこぼれるてしまうことも多く、設置するならばある程度のサイズは必要になります。
スペースがなければ、タンクレストイレ+トイレ外の手洗い、またはタンク付きトイレの手洗いで十分ではないでしょうか?


5. 間取りに関する後悔ポイント

生活動線や防犯面も考慮して、家族の生活スタイルに合った間取りを設計士と相談することが大切です。

5-1 勝手口

キッチンの横や、お庭に出るために設置することの多い勝手口ですが、本当に必要でしょうか?
ゴミ出しや外に出るためなどの利用を想定しても、動線やゴミの保管場所を工夫すれば実は不要な場合も多いです。
鍵の閉め忘れなど、防犯上のリスクも高まるため、安易な設置は避けることが無難です。


まとめ|福岡で後悔しない注文住宅を建てるために

今回ご紹介した21のポイントは、あくまで「後悔につながりやすい」とされる一般的な例です。
ご自身のライフスタイルや価値観、家族構成、そして福岡という土地の特性や気候なども考慮しながら、一つ一つの設備や間取りについて「本当に我が家に必要か?」を深く考えることが重要です。

流行や見栄えだけで判断せず、メリット・デメリット、将来的なメンテナンス性や可変性まで見据えて、じっくりと検討しましょう。

福岡での注文住宅づくりが、ご家族にとって最高の体験となるよう、今回の情報を参考に、信頼できる住宅会社や設計士としっかり相談しながら、賢い選択をしてください。

今回の内容は、Youtubeでも紹介していますので、ぜひご視聴ください。