- 目次
- 1. ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは?
2. WITHDOM GroupのMVVと、独自の挑戦
3. 結びに
企業経営において、何を大切にし、どこへ向かうのかを示す指針は不可欠です。
その核となるのが、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)です。
これは単なる標語ではなく、企業活動すべての根幹をなす、生きた哲学と言えます。この記事では、MVVの重要性とその役割、そして実際にそれをどう策定し、組織に浸透させていくのかについて、弊社のMVVも交えながら深く掘り下げていきます。
1.ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは?

まず、MVVそれぞれの定義を確認しましょう。
ミッション(Mission)
・企業の使命としてやるべきこと
・時間軸として、現在、過去、未来にわたって、その会社の中に常に存在し続けるもの
・主語は企業であり、「企業がやるべきこと」を定義したもの
ビジョン(Vision)
・企業が理想とする将来像
・時間軸として未来、まさに将来を目指すもの
・ミッションと共に主語は企業
バリュー(Value)
・企業が大切にしている価値観や行動指針(クレド)
・社員が守るべき行動規範であり、その会社の憲法のようなもの
・時間軸としては現在を指すもの
・ミッションやビジョンとは異なり、主語は社員
ミッションとビジョンのどちらがより重要か、あるいはどちらを先に考えるべきかについては、会社によって異なります。
必ずしも優劣はなく、ビジョンを上位に置く会社も存在します。
ただ、一般的にはミッション・ビジョン・バリューの順で構成されることが多いとされています。
策定の順序としては、まず目指す将来像である「ビジョン」を決め、次に「ミッション」、最後に「バリュー」を決めるのがいいとされています。
目的地であるビジョンを先に定めなければ、現在何が重要で何をすべきかが明確にならないからです。
2.WITHDOM GroupのMVVと、独自の挑戦

ミッション:Move emotions. 感動を見つける。
「感動を見つける」とは、お客様に感動していただき、その感動しているお姿を見て私たちも感動する、という意味です。
具体的には、お引き渡しの時にお客様に泣いていただき、そのお姿を見て私たちももらい泣きをすること。これが、私たちが目指す「感動を見つける」家づくりです。
私たちの顧客満足度の基準は非常に厳しいです。それは、お引き渡しの時に「お客様と共に泣いたかどうか」です。
泣いていただけなければ、その家づくりは失敗だと考えています。
現在、実際にお引き渡しをさせていただいたお客様の約3割の方に、お引き渡し時に涙を流していただいております。
ビジョン:挑戦する社会を創り、日本の未来を切り開く
現在の日本には閉塞感が漂っており、かつて世界一の経済力を誇った頃の輝きを失っていると感じています。
再び日本を強くするには、新しい挑戦を恐れず起業家が次々と生まれる会社が必要です。
欧米諸国に比べて日本の起業率(3.7%)が低い現状を変えたいと考えています。
そのために、私たちは「JV(ジョイントベンチャー)」という独自の起業モデルで全国に起業家を輩出しています。
これはリスクを抑えつつ起業に挑戦できる「ミドルリスク・ミドルリターン」のモデルであり、リスクを避けがちな日本人のメンタリティに合わせたものです。
既に9社のグループ会社を設立し、今後も50人の社長を輩出することを目指しています。
起業が当たり前の社会をつくることで、日本を強くすること、これが私たちのビジョンです。
バリュー:私たちのバリューは、社員一人ひとりが大切にすべき7つの行動規範です。
1. お客様の声を真剣に聞き、お客様と一緒の気持ちになる
これは最も基本的な姿勢であり、お客様の家づくりなどを自分ごととして捉えるという、非常に難しくも重要な価値観です。
2. 期待値を超えた分だけ感動がある。常に期待値を超える
お客様の要望通りにするだけではなく、期待を超えるサービスや成果を提供することで、初めて感動が生まれるという考え方です。
3. 圧倒的ないい人になる
私たちのバリューの中で最も重要視しており、採用時に徹底しているポイントです。
仕事の能力も重要ですが、それ以上に人間性を大切にしています。Google社の調査やNetflixのV字回復事例にもあるように、長期的に見れば「いい人」が多い組織の方が成果を上げやすいという考えに基づいています。
4. 仲間を想って1つになる
組織内のセクション主義の考え方をなくし、部署やチームを超えて互いに協力し、「仲間」として一体となり目標に向かうことを目指します。
5. 評論家ではなく当事者になる
安全な場所から批判するのではなく、自らがリスクを取って行動し、責任を持つことが重要だと考えています。現状を自らの問題として捉え、改善のために主体的に関わる姿勢が大切です。
6. 自由な発想で常識を打ち破る
ジョイントベンチャーの仕組みの様に、既存の概念にとらわれず、常に新しい発想で挑戦し、イノベーションを起こしていくことを大切にしています。
7. ポジティブな思考と言葉が人生を変える
明るく前向きな考え方と発言は、自分自身だけではなく周囲にもいい影響を与え、人生を豊かにします。ネガティブな感情は自ら解消し、意識的にポジティブであることを心がける姿勢を目指します。
これらのバリューは、毎朝の唱和や定期的な研修を通じて、社員に深く理解する努力を続けています。
3.結びに
私たちのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は、企業の存在意義、目指す未来、そして大切にする価値観を明確にする、私たちの魂そのものです。
これは、組織の成長を加速させ、困難な状況でも方向性を見失わないための羅針盤となり、さらには創業者の思いを未来へ繋ぎ、企業の永続性を支える基盤となります。
MVVの浸透は容易なことではありませんが、組織全体で共有し、日々の活動の中で体現していくことこそが、私たちの独自性を際立たせ、ステークホルダーからの共感を生み、強固なブランドを築き上げる道であると信じています。
これからも、人としての魅力を追求する組織文化を醸成していきます。