「最近、電気代が高くて大変…」「注文住宅を建てるなら、太陽光発電は必須?」 福岡で新しい暮らしをスタートさせようと考えているお客様から、このようなお声をよく聞きます。
原油価格の高騰や円安など、世界情勢の影響を受けて電気代は上がり続けており、家計への負担は増すばかりです。このような状況下で、自宅でエネルギーを作り出すことができる太陽光発電に注目が集まっています。
今回は、太陽光発電で「得する家づくり」のポイントを、最新の制度や考え方に基づきお伝えします。とくに、福岡で注文住宅をご検討中の方は必見です。
- 目次
- 1. なぜ今、太陽光発電が注目されているのか?
2. 知っておきたい!固定価格買取制度(FIT)の最新情報
3. 【重要】太陽光発電で「得する」ための本質とは?
4. 失敗しないための太陽光パネルの「量」の考え方
5. 自家消費を最大化する工夫
6. 福岡での注文住宅、太陽光発電はやっぱり「得」なのか?
1. なぜ今、太陽光発電が注目されているのか?
太陽光発電が注目される背景には、主に3つの理由があります。
【電気代の高騰への対策】
前述の通り、電気代は家計を圧迫する大きな要因となっています。自分たちで使う電気を自宅で作ることで、電力会社から買う電気を減らし、光熱費を大幅に削減することが期待できます。
【環境問題への貢献】
太陽光発電は、地球温暖化の原因となるCO2を排出しない再生可能エネルギーです。実は、日本のCO2排出量は世界でも5番目に多く、特に建築業界はCO2排出に大きく関与しています。環境に配慮した家づくりは、企業だけでなく、そこに住む私たち一人ひとりにできる社会貢献と言えるでしょう。
【日本のエネルギー自給率の向上】
日本はエネルギー資源が少ないため、その多くを海外からの輸入に頼っています。エネルギー自給率はOECD加盟38カ国中37位と非常に低く、これが海外情勢に電気代が左右されてしまう大きな理由の一つです。太陽光発電の普及は、日本のエネルギー自給率を高めることにも繋がります。
2. 知っておきたい!固定価格買取制度(FIT)の最新情報
太陽光発電で発電した電気のうち、自宅で使い切れずに余った電気を電力会社に買い取ってもらえる制度を「固定価格買取制度(FIT)」といいます。国が定めた価格で、設置から10年間(※)は安定して買い取ってもらえる国の制度です。
この売電価格は、太陽光発電の普及に伴い、設置費用が安くなってきたこともあり、年々単価が下がってきていました。しかし、2026年度の制度変更では、最初の4年間は1kWhあたり24円と、前年度の15円から大きくアップする方向性が示されました。ところが、5年目から10年目は8.3円に大きく下がるという変動型となる見込みです。
「結局、得なの?損なの?」と議論になりがちですが、10年間の平均値で計算すると約14.5円となり、これまでの価格と大きくは変わりません。制度変更の意図としては、普及をさらに加速させたいという国の思いがあるようですが、価格だけを見ると大きなブーストにはなっていないかもしれません。
※10kW以上の場合は20年間
3. 【重要】太陽光発電で「得する」ための本質とは?
ここで最も重要なポイントをお伝えします。今回の売電価格の変動に関わらず、太陽光発電で「得をする」ための本質は「売電収入」ではなく「自家消費」にあるということです。
なぜなら、電力会社から電気を「買う」価格(例えば福岡では31円/kWhと言われることも)と、余った電気を「売る」価格(最新制度で平均約14.5円/kWh)では、買う電気の方が圧倒的に高いからです。
かつては、売電価格が高かった時代に、大量の太陽光パネルを載せて余った電気をたくさん売り、その収入で住宅ローンを払うといった考え方もありました。その名残で、今でも「売電価格が高くないと意味がない」と考える方もいらっしゃいますが、現在の制度下では、売るよりも自分で使う方が圧倒的に経済的なのです。
つまり、本質的に大切なのは、発電した電気をどれだけ余らせずに、自分たちの家で使い切れるかということです。
4. 失敗しないための太陽光パネルの「量」の考え方
「たくさん載せればたくさん発電して得をするんでしょ?」と思われがちですが、それは誤った考え方です。むやみに多く載せすぎることは、かえってリスクを高める可能性があります。
適切な太陽光パネルの容量は、家族の人数や電気の使い方によって変わります。目安としては、少し前まで「1人あたり1kW」と言われていましたが、家電が増えたり電気料金が上がったりしていることもあり、現在では「1人あたり1.5kW」が望ましいとされています。例えば、4人家族であれば、6kW程度の容量が目安となります。
これ以上の容量を載せると、余る電気が増えやすくなります。余った電気の売電価格は低いだけでなく、特に福岡のような出力制御地域では、電力の需要と供給のバランスを取るために、発電した電気の売電を制限される時間帯が発生するリスクもあります。多く載せている人ほど、制御の対象になりやすい傾向があります。
また、載せる容量が増えると、発電した電気の種類を家庭で使えるように変換する「パワーコンディショナー(パワコン)」という機器が複数必要になることがあります。このパワコンは10年程度で交換が必要になり、1台あたり約20万円程度の費用がかかります。容量を少し増やしただけでパワコンが2台必要になると、10年ごとの交換費用が倍になり、メンテナンスコストが増加してしまうのです。
「ければつければつけるほどいい」のではなく、自宅の電気消費量に合わせた「ちょうど良い量」を設置することが、賢い太陽光発電の活用法なのです。
5. 自家消費を最大化する工夫
では、発電した電気を余らせずに使い切るためには、どのような工夫ができるでしょうか?
太陽光発電が最も発電するのは、やはりお昼間です。テレワークなどで日中も在宅している方は、積極的に昼間に電気を使うサイクルにすることで、自家消費率を高めることができます。
共働きなどで日中ほとんど家にいないという方もいらっしゃると思いますが、そのような世帯でも自家消費を増やす画期的な方法があります。それが、「おひさまエコキュート」の活用です。
エコキュートは、お湯を沸かす際に多くの電気を使用しますが、従来のタイプは電気料金が安い深夜にお湯を沸かしてタンクに貯めておく仕組みが一般的でした。しかし、「おひさまエコキュート」は、太陽光発電で発電しているお昼間に、その電気を使ってお湯を沸かすことができます。
お湯を沸かすエネルギーは家庭の電気使用量の大きな割合を占めるため、この部分を太陽光発電で賄うことで、日中不在でも自家消費を大幅に増やすことが可能になるのです。深夜電力よりも売電価格の方が安くなった今、お昼の太陽光発電の電気でお湯を沸かすことは、非常に経済的で合理的な選択と言えます。
6. 福岡での注文住宅、太陽光発電はやっぱり「得」なのか?
適切な量の太陽光パネルを設置し、自家消費を増やす工夫をすることで、太陽光発電は福岡での注文住宅においても非常に有効な設備と言えます。
例えば、4人家族で目安となる6kW程度の容量であれば、一般的に家庭の光熱費をほぼゼロにすることも十分に可能です。さらに、初期費用についても、約9年~10年程度で回収できるような仕組みになっています。
これまで多くのお客様の引き渡しに立ち会ってきた中で、「太陽光で損をした」というお客様には一人も出会ったことがなく、「つけて良かった」という方がほとんどです。
売電価格の変動に一喜一憂するのではなく、「いかに自宅で使う電気を賄うか」という視点を持つことが、電気代が高騰する時代に賢く快適に暮らすための鍵となります。環境にも優しく、家計も助けてくれる太陽光発電は、福岡で注文住宅を建てる上で、ぜひ前向きに検討していただきたい選択肢です。
無駄のない最適な太陽光発電の容量は、ご家族構成やライフスタイルによって異なります。
私たちは、お客様にとって最適な太陽光発電システムのご提案を行っております。福岡での注文住宅に関すること、太陽光発電に関する疑問など、どうぞお気軽にご相談ください。
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