夢のマイホーム計画、とくに間取りづくりは最もワクワクする一方で、多くの人が失敗しがちなポイントでもあります。せっかく時間と費用をかけて建てる注文住宅ですから、「こうしておけばよかった…」という後悔は避けたいですよね。

今回は、注文住宅でよくある間取りの失敗例と、それを防ぐための重要なポイントについて、「ウィズダム建築設計のNo.1設計士 富永」が詳しく掘り下げてご紹介します。福岡で注文住宅をご検討中の方は、ぜひ家づくりの参考にしてください。

目次
1. 量だけでは不十分?収納力の失敗と成功の秘訣

2.  日当たりとプライバシー、どう両立させる?

3.  家族みんなが快適に!ライフスタイルに合わせた間取り計画
  1)失敗しがちな動線と対策
  2)ストレスになりやすい水回りの失敗と対策

4. まとめ

1.  量だけでは不十分?収納力の失敗と成功の秘訣

収納は、多くのお客様が不満を感じやすいポイントの一つです。世論調査でも、不平不満のランキング上位に常に収納不足が挙げられるほどです。

一般的には、家の全体面積に対して10%から15%程度の収納量を確保するのが目安とされていますが、単にその量を確保するだけでは失敗につながってしまうのです

なぜ失敗するのでしょうか?
それは、収納する「モノ」と「場所」が適切に計画されていないことにあります。
例えば、大きな収納スペース(納戸など)を設けても、奥にしまったものが取り出しにくく、結局手前ばかりが散らかってしまうことがあります。これは、量があっても使い勝手が悪い典型的な例です。

では、どうすれば収納で失敗しないのでしょうか?

① 収納したいものをリストアップする
 まず、家にあるモノや新居で収納したいモノを具体的に書き出してみましょう。季節もの(こたつ、扇風機など)、タオル、下着、トイレットペーパーのストックなど、種類や量を確認します。

② 「適材適所」の収納計画
 重要なのは、使う場所に、使うものを収納できるスペースを設けることです。例えば、トイレットペーパーはトイレの近く、タオルや下着は洗面所の近くなど、それぞれの使用場所のすぐ近くに小さな収納を多く設けることが有効です。

③ 動線を意識する
 収納場所と使う場所の距離、そしてそこまでの動線を考慮することが大切です。実際に、富永は、ご自身のマイホーム計画で収納するモノのリストアップを怠った結果、引っ越し後の片付けが進まなかったと言います。これは、「どこに何をしまうか」という計画の重要性を富永自身が感じているため、より重要性がわかりますね、、、

④ 間取り図への書き込み
 ここまでの①~③を考慮したうえで、間取り図へ反映させましょう。計画段階で、収納したいモノのリストと、間取り図上の収納場所を紐づけて検討することで、住む前にどこに何をしまうかが明確になり、収納が苦手な方でも片付けやすくなります。

収納は、単にスペースを確保するだけでなく、「何を」「どこに」「どう使うか」を具体的にイメージし、生活動線に合わせた計画を立てることが、失敗しないための鍵となります。

2.  日当たりとプライバシー、どう両立させる?

日当たりの良い南側道路に面した土地は人気がありますが、実はここにも落とし穴があります。
リビングなど長時間過ごす場所を南側に配置し、大きな窓を設けて光を取り入れたとしても、道路からの視線が気になり、結局一日中カーテンを閉めっぱなし…というケースが非常に多いのです。

明るい空間にするために大きな窓を設けたのに、プライバシーのためにカーテンを閉めてしまっては、採光のメリットが半減してしまいます。これは、間取りを考えるときに家の中からどう見えるかばかりを意識してしまい、外からどう見えているかという視点が抜け落ちてしまいがちなことが原因です。

特に戸建て住宅では、マンションのように高さがないため、人通りの多い場所ではプライバシーの確保がより重要になります。
では、採光とプライバシーを両立させるにはどうすれば良いでしょうか?

・ 外構計画との連携
 一つの方法として、外構で目隠しを設置することがあります。背の高いフェンスや植栽などを設けることで、室内への視線を遮りつつ、カーテンを開けて光を取り入れることができます。ただし、背の高い目隠しは費用が高額になるケースが多く、建物の計画だけで予算を使い切ってしまうと、外構で費用が足りなくなる可能性もあるため、家の計画の初期段階から外構計画も含めて検討することが重要です。

・ 間取りによる工夫
 二つ目は、外構だけでなく、間取りを工夫することです。工夫次第では、プライバシーを確保することができるため、窓の位置や形状を工夫したり、視線が通りにくい配置を細部まで考えましょう。

・ 現地での確認
 何よりも、現地に行ってみることをお勧めいたします。計画中の間取り図を持って、実際に土地を訪れ、建物の配置イメージと周囲からの視線を体感してみることで、道路からの距離感や、隣家からの視線などを把握することができます。より具体的な対策を検討できますね。

・ イメージを掴む工夫
 土地に古い家が建っているなどで現地確認が難しい場合は、パース写真を作成してもらいましょう。計画中の家に近い間取りや立地の完成現場見学会に参加したりして、イメージを膨らませるのも良いですね!

日当たりを最大限に活かしながら、家族が安心して過ごせるプライベート空間を守るためには、建物の間取りと外構の両面から、計画の早い段階でしっかりと検討することが不可欠です。

3.  家族みんなが快適に!ライフスタイルに合わせた間取り計画

間取りは、そこに住む家族のライフスタイルに合わせて計画することが非常に大切です。家族構成や年齢、日中の過ごし方、生活時間帯などを考慮しないと、日々の暮らしの中で小さなストレスが積み重なってしまう可能性があります。

とくに、ライフスタイルに合わせた間取りとして、特に「動線」「水回り」の計画が重要になります。

3-1 失敗しがちな動線と対策

動線計画で多くの人が見落としがちなのは、一人ではなく、「複数人の動線がどのように重なるか」という視点です。例えば、リビングで誰かがテレビを見ている前を、他の家族が頻繁に横切るような動線は、お互いにストレスを感じてしまう可能性があります。

対策として、

① 日々のルーティンを書き出す
 家族それぞれの朝起きてから夜寝るまでの行動パターンや、よく使う場所、移動ルートなどを具体的に書き出してみましょう。

② 間取り図上でシミュレーション
 提案された間取り図に、家族それぞれの想定される動線を書き込んでみます。動線が頻繁に交差する場所や、無駄な動きが多い場所が見えてくるはずです。

③ 設計士との共有
 書き出したルーティンやシミュレーション結果を設計士に伝え、改善策を相談しましょう。

複数人の動線がスムーズになるよう計画することで、家族みんなが気持ちよく過ごせる空間になります。

3-2 ストレスになりやすい水回りの失敗と対策

水回りの位置や音の問題も、ライフスタイルによっては大きなストレスにつながります。例えば、夜勤のあるご主人が、他の家族が寝ている時間帯にお風呂に入る場合、お風呂の音が響いてしまい、お子さんを起こしてしまったり、他の家族の眠りを妨げてしまったりする可能性があります。

また、トイレの音も同様に、位置によっては非常に気になることがあります。特に、気密性の高い現代の住宅では、家の中で音が反響しやすいため、水回りの位置と他の部屋との距離感は非常に重要です。LDKの近くにトイレがある場合、音漏れ対策がされていないと、食事中などに不快な音が聞こえてしまうことも考えられます。

対策として、

・ 家族の生活時間帯を考慮する
 家族の中に生活時間帯が異なる人がいる場合は、特に水回りの位置を慎重に検討する必要があります。部屋の隣に配置してしまうのではなく、廊下や突き当りの空間などをうまく活用することとをおすすめします。

・ 音対策を取る
 トイレなど音が出やすい場所は、リビングや寝室から離れた位置に配置したり、防音性のある壁材や扉を選んだりするなどの対策を検討します。トイレと居室の間には最低2枚の扉を設けるなど、音を遮る工夫が有効となります。

水回りの計画は、見た目だけでなく、音や生活時間帯といった目に見えない要素も考慮することが、日々の快適さに大きく関わってきます。

4. まとめ

福岡での注文住宅づくりにおいて、間取りは非常に重要な要素です。今回ご紹介した「収納力」「採光とプライバシー」「ライフスタイルに合わせた間取り」の3つのポイントは、多くの方が失敗しがちな部分であり、計画段階でしっかりと検討することで、後悔のない、家族みんなが満足できる住まいを実現できます。

理想の住まいを実現するためには、専門家である設計士に家族の希望やライフスタイルを具体的に伝え、プロの知識と経験に基づいた提案を受けることが大切です。そして、提案された間取りに対して、積極的に質問したり、家族で話し合ったりしながら、納得のいくまで検討を進めましょう。

私たちは、お客様一人ひとりのご家族構成やライフスタイル、将来設計を丁寧にヒアリングし、機能性、デザイン性、そして快適性を兼ね備えた最適な間取りをご提案いたします。福岡での注文住宅に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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